おっと! 半年経ってました。

久しぶりの更新を今日は とある廃墟の一室から。


郊外型の商業施設ができたせいで寂れてしまった商店街。
通りを歩いていて見えたのは、時が止まったような花屋さん。きいろ、白、むらさき
の小菊と、うす紫のチース、お線香とろうそく、花瓶が数種類。
店の前にヤクルトの自動販売機。


もう一軒は食料品屋、日持ちがしそうな袋詰めの乾いた食べ物と黒いバナナしか売ってなかった。 


どちらの店にも人がいない。


建物がまばらで 道路と道路の間がスカスカだ。人の声も車が走る音もしなくて
人がいないって寂しいもんだなぁと思う。
鳥の鳴き声が聞こえるわけでもないし 犬も猫も見当たらない。


駅前のY字路の中州になってる所に3階建ての
ちょっと前までは人が住んでいたんじゃないかなーという気配のする小さくて縦長の民家。
一階は 玄関を入ってすぐ和室のリビング、畳の上に絨緞が敷かれてある。ソファーもある。奥に空っぽのお仏壇。その奥に台所とトイレがあった。


窓ガラスが外れて部屋中土埃がすごい。
歩くだけで埃が舞ってだめ。


二階に上がると ここはきれい、古書がいっぱいの部屋がひとつだけ。


三階に上がる。女の子っぽい部屋で、汚れた布団が畳の上に丸めてある。
古い畳のにおいがする。窓に黄色のカーテン。壁には1992年のカレンダー!
20年もこのままなのか。


部屋の隅のタンスを開けてみると、変わった形のカミソリが何本も入ってる。
10cm×くらいで刃の幅は2センチぐらい、先が二股になってる。
どうやって使うんだろ。
さっき一階のリビングに何本も落ちてたな。


棚の上に無造作に置かれた黄色とオレンジのニットワンピ、まだ新しそう。似たようなデザインのワンピがあと2着。厚手の白のコットンのと、なんか‥ゴブラン織りみたいなくどい柄のと。手作りだねこれは。


驚いた事に、部屋の天井からぶら下がっている蛍光灯のヒモを引っ張ったら、電気がついた!

製菓用チョコレートのサンプルがある。ヴァローナ、フランス製。4種類がそれぞれ筒状のプラスチックでできた入れ物に入ってて、パンフレット付き。未使用。食べれるんじゃないかと思った。製造日は去年の10月‥。
食べれるけど、、食べないけど。最近までだれかここに居たって事だ。